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終活の第一歩!エンディングノートの書き方
お金の問題をスッキリ!解決するファイナンシャルプランナーの小沢です。
最近は「終活」という言葉をよく聞くこともあると思いますが、終活とは、死と向き合い、最後まで自分らしい人生を送るための準備のことです。
実際に終活をしようと思ったら色々とやるべき事があります。そのやるべき事、考えるべき事を整理するうえでエンディングノートが役に立ちます。
そこで今回は、エンディングノートについてお伝えしていきます。
エンディングノートとは?
エンディングノートとは、人生の終末期を迎えるにあたり、病気などで判断力を失うような状況になったとき、また死亡したときにしてほしいことや伝えたいことを書き留めておくノートです。
書いておくことで、もしもの時に家族の負担を軽減できます。しかし遺言書とは大きく異なり法的拘束力はありません。
また、高齢者が記入すべきものとしてとらえがちですが、30歳でも40歳でも記入してみることで気づくこともたくさんあると思います。
私も実際に書いてみて気づいたのですが、お墓のこと、銀行口座の事や生命保険のことなど家族に伝えておかないと困ることもわかりますし、妻は一人っ子なので妻の家の墓もどうするのか?喪主は妻が難しそうだから長男に?誰に管理してもらうべきか?など考えておかないといけないと気づくことが多かったです。
家族へのメッセージは考えるだけで泣けてきます!!
エンディングノートにまとめること一覧
エンディングノートに書いておくべき項目を案内します。
①自分の基本情報について
名前、住所、生年月日、本籍などのいわゆる個人情報は、ここに記載しておきましょう。
基礎年金番号などの基本情報を記しておくことで、残された遺族がスムーズに行政への手続きを行うことができます。
この世に生まれてから現在までの「自分史」を書き留めておくのもおすすめです。
どのような子供だったか、どのような学生時代を過ごしたか、どのような職場に就職をして、どのような事に取り組んできたかなど、振り返りながら書いてみてください。
自分の人生を振り返ることで、今後するべきことが見えてくることもあります。
またエンディングノートに自分史を記しておくことで、遺族にも「自分はこんな人生を送った」ということを知らせることができます。
幸せな人生だったことを知れれば、遺族も安心できるのではないでしょうか。
➁資産について
自分が持っている資産についてまとめておきます。
特に、預貯金、保険、年金については本人が死亡したことを届け出る必要があるので、忘れずに記載するようにしてください。
また、所持している有価証券などについても記載しておくといいでしょう。
最近はネット銀行やネットの証券会社に口座を持つ人も増えていますのでパスワードも分かるようにしておかないと後で家族が苦労してしまいます。
保管場所も明記しておいた方が望ましいのですが、悪用されるリスクもありますので注意してください。
自分が大切にしていた品についても、どのように分けるかを記しておけば、遺族がもめることもありません。
恥ずかしいですが借金がある、連帯保証人になっているなど負の遺産がある場合はそのことも必ずここに記載しておくようにしてください。
恥ずかしいからと借金の存在を家族に隠している人もいますが、借金があると分かれば遺族は「相続放棄」の手続きをすることができます。
遺族を苦しめないためにも、負の遺産については偽りなく記載するようにしましょう。
③身の回りのこと
普段からSNSなどを使用している場合などは、遺族の誰かが退会手続きをしないと永久にネット上にアップされたままになってしまいます。
そうならないようにするためにも、パソコンのパスワードやそれぞれのサイトのログインパスワードなどを記す必要もあります。
またペットを飼っている場合には、そのことについても書かなければいけません。
家族がペットを引き取ることができない場合には、誰に引き取ってもらうかを決めておきましょう。ペットを引き取る人が困らないように、ペットの健康状態や性格、好みの餌など、詳しい情報を記載しておくと良いと思います。
④家族・親族について
自分が死ぬ直前は、家族や親族とゆっくりと話をすることが出来ないこともあるかもしれません。また、面と向かって感謝の気持ちを伝えるのは恥ずかしいと感じる人もいるのではないでしょうか。伝えたい気持ちは、ぜひエンディングノートにメッセージとして残してみてください。
自分がどれだけ大切に思っていたか、共に過ごした時間がどれだけ幸せだったか、素直な気持ちを伝えましょう。
また、文字以外にイラストや写真を添えるのもおすすめです。
⑤友人・知人について
友人や知人にも家族同様メッセージを残すことも考えてください。エンディングノートを見た遺族が、メッセージを宛てた本人に内容を伝えてくれると思います。葬儀に招いてほしい場合は、友人や知人の連絡先が必要になります。しかし、遺族が故人の友人や知人の連絡先を把握しているということはほとんどないと思いますので、遺族が困らないように、ぜひ友人・知人の連絡先一覧を作ってみてください。
また、友人・知人の連絡先一覧が必要となるのは葬儀のときだけではありません。入院したときや入居したときにも、連絡先の一覧があれば家族に頼んで友人・知人に連絡をしてもらうことができます。
⑥医療・介護について
家族に負担をかけないためにも詳しく書いておきたいのが、医療・介護についてです。治療中の病気・飲んでいる薬やかかりつけ医などの情報と合わせて介護状態になった場合、誰に看てもらいたいのか、施設に入れてほしいのかなど考えを残しておきましょう。
また最近では、終末医療に関する考え方も多様化しています。出来るだけの延命治療を受けたいと思う人もいれば、延命治療を行わず、自然な形で家族に看取られたいと考える人もいます。
そんな中で、自己判断ができなくなった家族の代わりに延命治療や臓器提供などについて決定するのは、とても負担が大きいものです。
どのような決定をしたとしても、後悔したり、もめることになるかも知れません。認知症や病気の末期症状で自己判断ができなくなる前に、どのような終末医療を受けたいかなどについてしっかりと考えておきましょう。
そうすることで、家族は「本人の意思を尊重することができた」と安心することが出来ると思います。
⑦葬儀・お墓について
近年では葬儀やお墓にもたくさんの選択肢があり、これについて本人が意見する機会も増えてきました。
どの葬儀社にお願いするか、どのお寺にするか、盛大な葬式にするかシンプルな家族葬にするかなど、たくさんの選択肢があります。
また、お墓も先祖代々の墓に入るのか、新しく建てるのか夫婦でも別の墓に入りたいなど考え方も様々です。
本人の希望が明確になっていれば遺族も困らないのではないでしょうか。
⑧相続・遺言について
前述したように、エンディングノートは法的拘束力がある文書ではありません。そのため、相続などについてここで遺言を残すことはできません。
遺言を残したい場合は、エンディングノートとは別に遺言書を作成しておきましょう。そして、エンディングノートには遺言書を作成している旨を記しておいてください。
エンディングノートの書き方
エンディングノートには、決められた書き方はありません。
どんな事から書きはじめてもいいですし、すべてを書く必要もありません。
ただ、最低限、これだけ書いておけば家族の負担は大幅に減らせるということはあります。
簡単にいうと、「決断を迫られたら、判断に迷ってしまうこと」です。
エンディングノートに書く内容は大きく分けて、自分の過去、現在、未来の3つです。
まず、過去というのはこれまでどんな人生を歩んできたのか。どんな出会いがあったのか。何を目指してきたのか。そのようなことについて、自分の言葉で書いていきます。
人生の棚卸(たなおろし)ともいわれる作業です。現在というのは、自分の家族や好きなことなどです。そして未来というのは、これからやってみたいことなどです。また、もしも自分に何かがあったときには「こうしてほしい」といった希望も、自分の未来です。
なお、エンディングノートは一気に完成させる必要はありません。
重要なポイントだけ記入したら、あとは書きやすい項目から時間をかけて少しずつ埋めていくといいでしょう。
エンディングノートは書き直してもいい
また、一度エンディングノートを作っても、あとから状況や考え方が変わることもあります。完成したらそれでおしまいではなく、年1回など定期的に内容を確認するようにしてください。
自由に書き直したり、書き足したり、あなただけのエンディングノートを作ってください。書く場所が足りなくなった場合には、新しいノートを買ったり、また必要な部分に紙を貼り足したりして、書いている方もいらっしゃいます。
エンディングノートを書く時の注意点
エンディングノートは、家族や大切な方に見てもらうことが前提です。
記入する内容も、いつか、誰かに見られるものということを意識しておく必要があります。見られて、不快な気分にさせてしまうことは避けておきましょう。
おわりに
エンディングノートについて、お伝えしてきましたが難しく考えずにまずは書店に行って自分に合ったエンディングノートを見つけてください。そこから思いのままに書いていけば良いのではないでしょうか?
ゆっくりと時間をかけてエンディングノートを作っていただければと思います。
また、終活についての相談はおかねの相談室のファイナンシャルプランナーに相談してください。
より良い終活をサポートいたします。