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日本学生支援機構の奨学金制度が変わりました
「家計のホームドクター®」、ファイナンシャルプランナーの高村です。
今の日本では、大学、専門学校などに進学するにあたり、奨学金を利用することが普通になっています。
平成27年度では、約38%(2.6人に1人)の学生が奨学金を利用しています。
今回はその中でも、もっとも利用されている日本学生支援機構の奨学金制度の改正点について解説します。
返還義務のない給付奨学金が始まりました
今までの日本学生支援機構の奨学金制度は貸与奨学金のみでした。卒業後に毎月返還をしていく奨学金です。無利息の第一種奨学金と利息の付く第二種奨学金があります。
ここに給付奨学金が新たに追加されました。特に経済的に厳しい学生(私立自宅外生・児童養護施設退所者等)を対象に平成29年度から先行実施され、平成30年度の進学予定者から本格実施されます。返還義務がないというところが最大のメリットですが、それだけに条件が厳しく決められています。
申込資格や基準、給付額は日本学生支援機構のホームページを参照してください。
奨学金の制度(給付型)
JASSOの奨学金とは
無利子奨学金の大幅な拡充
無利息の第一種奨学金ですが、住民税非課税世帯学生について、成績基準が実質的に撤廃されました。
更に貸与基準を満たしているにもかかわらず、予算枠上の制限から貸与を受けられなかった学生を解消するための対策がなされました。
この2点の対策により、以前に比べ年間で約4.4万人の枠(無利息の第一種奨学金)が増えました。
返済負担軽減策の大幅拡充
①所得連動返還型奨学金制度の導入
返還金額が卒業後の所得に連動する制度です。無理のない返還が可能となるでしょうから、いい制度ですよね。
対象となるのは平成29年度以上の第一種奨学金を貸与され、所得連動返還を希望される方です。勿論、今までの定額返還方式もあるので、将来を見据えて検討しましょう。
新たな所得連動返還奨学金制度(所得連動返還方式)について
②低所得者向け減額返還制度の拡充
病気・失業等で返還が困難な方に、返還月額を1/2に減額して2倍の期間で返還する制度があります。(期間が延びても返還総額はかわりません)。
これが、更に返還月額を1/3に減額し、3倍の期間で返還できるようになりました。これは現在貸与中の方や返還中の方が対象になります。
所得連動返還方式をすると、この制度は使えませんので注意してください。
減額返還制度の拡充について
最後に
今回は日本学生支援機構の奨学金制度改正点について解説しました。奨学金制度は、意欲と能力のある学生・生徒が経済的理由により就学を断念することがないよう、国の教育施策の一環として行っているものです。
給付型奨学金を除き、奨学金は借金です。これから申請を考えている生徒さんや保護者のみなさんは次のことを申請前に話し合ってみてください。
・大学や専門学校の授業についていけるか?
・進学したことで本当にスキルアップできるのか?
・進学先に給付型奨学金、授業料の免除などを活用できないか?
・就職後、返還は出来そうか?
・延滞してしまった場合のデメリットを理解したか?
ほんの一例ですが、このようなことを親子でしっかりと話し合っていくことが重要です。しっかりと計画を立てて、うまく活用すれば自己投資(奨学金=借金)がプラスになりますよね。
将来の夢を実現するために、私たち、ファイナンシャルプランナーはお手伝いします。
分からないことがあったら気軽に相談してください。