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知っておきたい相続の知識 ③養子縁組

「家計のホームドクターⓇ」、ファイナンシャルプランナーの高村です。

誰もが生涯に一度は遭遇する相続問題。

相続と言われると『難しい』『分かりにくい』といった印象を持った人が多いと思います。しかし相続は突然訪れます。いざその時になったらどうすればいいのか?


今回は知っておきたい相続の基礎知識の3回目、『養子縁組』についてお話させていただきます。

※「家計のホームドクターⓇ」はNPO法人日本FP協会の登録商標です。




養子縁組とは

親子関係のない者同士を、法律上親子関係があるものとすることを「養子縁組」と言います。

養子縁組をしても養子は実親との親子関係を存続したまま、養親との親子関係をつくるという二重の親子関係になります。




養子縁組の節税効果

相続税の節税対策のひとつとして『養子縁組をすることによって相続人を殖やす』という方法があります。

具体的には、長男のお嫁さんやお孫さんを養子にするということです。
民法上では養子の数に制限はありませんが、過去に節税目的のみの養子が増えたため、相続税法においては上限があります。

実子がいる場合は1人、実子のいない場合は2人までとなっています。



主な節税効果としては、次の3つの効果があります。

➀基礎控除額が増える
 相続税の基礎控除額は3000万円+600万円×法定相続人の数です。
 相続人が1人増えると600万円分の控除額が拡大します。


②税率が下がる
 相続人が増えることにより、1人あたりの法定相続分が小さくなります
 相続税は累進課税なので、適用される税率が低くなる可能性があります。


③生命保険金や死亡退職金の非課税枠が増える
 生命保険金と死亡退職金の非課税枠は500万円×法定相続人の数です。
 相続人が1人増えると500万円分の非課税枠が増加します。




養子縁組の節税以外のメリット

養子縁組は相続権のない人に自分の財産を相続させるための手段としても有効です。例えば節税の必要がない場合でも、世話になった長男のお嫁さんに財産を渡したい時などは養子縁組の制度をうまく活用することができます。




養子縁組をするにあたっての注意点

養子縁組を行うことによって忘れてはならないことがあります。

➀養子にも相続分・遺留分が生じる
②他の相続人の相続分・遺留分が減る

節税対策には有効な養子縁組ですが、それだけに目を奪われてしまうと大きなトラブルの原因になってしまう可能性があります。
それは『遺産分割』を行う時です。

養子以外の他の相続人に黙って養子縁組をした場合にはどうでしょうか。
養子縁組の事実を知らなかった相続人は、相続の時になって初めて知らされるのです。

そういった状況で遺産分割協議がスムーズに進むとは思えません。知らぬ間に自分の相続分が減っているのです。

養子縁組を原因として遺産分割で揉めてしまっては本末転倒の事態です。

そのような事態に陥らぬように、専門家に相談しながら、すべての相続人と話し合ったうえで『養子縁組』の手続きを進めていくといいでしょう。




今回のまとめ

養子縁組』は最も確実で効果の大きい節税の対策です。その反面、節税のために家族関係を壊すことのないように配慮することも必要です。

もしこのことを知っていたら・・・。

ちょっとした知識で様々なトラブルを避けられるかもしれません。何か分からないことがあったら、私どもファイナンシャルプランナーに相談してください。問題解決糸口になるお手伝いをしていきます。


次回も引き続き、相続の基礎知識③『生命保険の活用法』について書いていきます。








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高村 忠宏

ファイナンシャルプランナー

高村 忠宏(たかむら ただひろ)

相談者のライフプランをサポートすることをまず第一に考え、それを実現するためのコンサルティングを行っている。

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