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フラット35を上手に活用しよう『幅広い物件や条件の利用が可能』編
家計のホームドクター、ファイナンシャルプランナーの高村です。
前回はフラット35の活用方法として「幅広い融資対象者」についてお伝えしました。
今回はもうひとつの特徴である「幅広い物件や条件の利用が可能」ということについて、お伝えしたいと思います。
幅広い物件や条件での利用が可能
前回同様に民間金融機関では融資を断られてしまう、あるいは融資条件に合わないようなケースでも融資できる可能性があります。以下、いくつか例を挙げてみると
1.借り換え融資
既存の住宅ローンの借り換えを検討している方。
利用の条件としては、
既存住宅ローンの借入日から借り換え融資の申込日まで1年以上経過していること。
申込日前日までの1年間、延滞をしていないこと。
対象となる住宅ローンは
・申込本人が所有し、且つ自ら住むための住宅の住宅ローン。
・セカンドハウスについてもOK。(賃貸にしていないもの)
・住宅金融公庫やフラット35からの借り換えも可能。
借り換えの対象及び住宅の要件は
・一戸建て住宅は70㎡以上、マンションは30㎡以上
・住宅取得時の借入額が建設費または購入費の100%以内であること。(諸費用分まで借入していた場合は対象外となります。)
借り換えの借入期間
35年 既存住宅ローンの経過期間(1年未満は切り上げ)
2.親が子(または子が親)のために住宅を取得
親族住居用で申し込み可能(親子リレー返済も利用可能)。
資金受け取り時に入居した子(または親)の住民票提出が必要です。
民間金融機関では自らが住むための住宅が融資条件になるためフラット35独特の制度です。
3.週末を過ごすため、もう一戸の住宅を取得
セカンドハウスで申し込む(親子リレー返済も利用可能)。
4.栃木の社宅に家族と居住中。将来、東京の実家の近くに住居を構えたい
セカンドハウスで申し込む(親子リレー返済も利用可能)。
5.夫は大阪で単身赴任。妻と子は実家の新居に住みたい
自ら居住で申し込む、資金受け取り時に入居する妻と子の住民票の提出が必要です。
6.借地や保留地なども対象になる場合がある
取り扱う金融機関によって異なります。金融機関窓口でご確認ください。
申込の事例
それでは、具体的にどんな方が融資を受けられたのか事例をいくつかご紹介します。
事例1:借り換えでの申込の場合
≪申込人≫ 夫 46歳 会社員 年収600万円
35年ローン14年6か月経過 ローン残高2300万円
35年ー15年(14年6か月:1年未満切り上げ)=20年
ポイント:フラット35は返済期間20年以下と21年以上で金利が異なります。(20年以下の方が低い金利設定になっている)。今回の事例では20年以下を適用したため、より低い金利で借り換えが出来たケースです。
事例2:親族居住用の住宅での申し込み(親子リレー返済)
≪申込人≫ 父親 57歳 会社員 年収480万円
≪連帯債務者≫ 息子 28歳 会社員 年収300万円
父年収+子年収 480万円+300万円=780万円
ポイント:父親が息子のための住宅を取得した。息子単独では希望の借入額に満たないため、親子リレー返済になった事例。父はこの住宅に同居しないため、父の住宅ローン減税は受けられません。
事例3:親族居住用での申し込み(親子リレー返済)
≪申込人≫ 義父 62歳 嘱託社員 年収420万円
≪連帯債務者≫ 息子 34歳 契約社員 年収310万円
義父収入+息子収入 420万円+310万円=730万円
ポイント:義理の父親でも親子ローンの主債務者になれます。義父と息子の妻との関係のわかる書類(戸籍謄本等)の提出が必要です。また、この場合も義父はこの物件に住まない為、義父は住宅ローン減税を受けられません。
今回のまとめ
今回、フラット35の5つのメリットのひとつ「幅広い物件や条件での融資」の事例をご紹介させていただきました。
記載した事例、いずれの場合においても借入の条件(金利や手数料)は変わりません。
そこがフラット35の特徴です。
ただし、「親族居住用」や「セカンドハウス」の場合は、住宅ローン減税等などの税法上の取り扱いが「自ら居住する」場合と異なりますので注意が必要です。
これから新築を考えている方はもちろんですが、既に住宅ローンを抱えている方にとっても、条件の多彩なフラット35を検討してみてはいかがでしょうか?
今後も有益な住宅購入に関する情報をお伝えしていきますのでご期待ください。