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様々なリスクから住まいや家財を守る 火災保険の補償 台風、竜巻、豪雨も補償の対象 地震保険は必要か?

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昨年の日本の世相を表す漢字一文字を憶えてますか?

そうです、「災」(サイ/わざわい)でしたね。

2018年は日本列島の各地で大規模な自然災害が発生しました。北海道・大阪・島根の地震、西日本豪雨、そして複数の大型台風の到来など、まさに自然災害の脅威を痛感した一年だったと言えるでしょう。

災害のニュースが流れるたびに、
「地震で家が焼失した場合、火災保険で補償されますよね?」
「台風で屋根が飛ばされたり、洪水で家の中が水浸しになっても火災保険で補償されますか?」
等々、お客様から幾多の質問を頂きました。

しかし今年になっても既に、年明けの熊本地方の地震をかわきりに北海道中東部の地震や令和元年台風第5号、8号、10号と相次いで自然災害は発生、その猛威は衰えません。


そこで今回は、民間の保険会社が販売する火災保険の基本的補償でどんなリスクが守れるか、意外と知らない基礎中の基礎をお伝えしたいと思います。




物件と構造で変わる火災保険

「知人と同じ保険会社に同額の保険金額で火災保険に加入してるのにどうして保険料が大きく違うの?」
先日、こんな質問を受けました。



火災保険は物件の種別(建物の用途)で区分されます。

物件の種別を大別すると
➀ 住居のみに使用する建物・・・専用住宅物件
  住居とともに店舗や事務所としても使用する建物・・・併用住宅物件

② ➀の専用・併用住宅物件以外の専用店舗、専用事務所、病院、公民館等・・・一般物件
 *他に、一定規模以上の工場敷地内にある作業場、事務所、倉庫、動力室等の➂工場物件や倉庫業法に基づく倉庫業者の倉庫や保管物等の④倉庫物件に区分されます。



同種別の建物でも構造(鉄骨造・木造など)で構造級別が判定されます。

➀ コンクリート造、れんが造、石造の共同住宅等(マンション)・・・M構造
② コンクリート造、れんが造、石造、鉄骨造、耐火構造建築等の戸建て住宅・・・T構造
➂ ➀、②に該当しない(主に木造)、また➀、②の確認ができない建物・・・H構造

上記のように火災保険は、物件の種別や構造級別によって区分され加入する保険種類や保険料が変わってきます。因みに質問を頂いたお客さまは木造のH構造、その知人の方は軽量鉄骨のT構造、同じくらいの建坪2階建て住宅なのに、構造の違いで保険料に大きな差が出たようです。


では、ここから先は専用住宅物件用のベーシックな火災保険の補償について説明致します。




住まいや家財を取り巻くリスクをカバーする補償の基本

大切なお住まいや家財を取り巻くリスクは火災だけではありません。
風災・雹(ひょう)災・水災・雪災などの自然災害のほかに、爆発・水漏れ・盗難などの偶然な事故も。



従来の住宅総合保険の補償範囲

➀ 火災
  失火やもらい火により建物や家財が燃えてしまった

② 落雷
  雷により建物や家財、電化製品が破損した

➂ 破裂・爆発
  ガス爆発などで建物や家財が破損した

④ 風災・雹災・雪災
  屋根や窓ガラスが台風・竜巻・雹・雪で破損した

⑤ 外部からの物体落下・飛来・衝突
  車両の飛び込みや航空機の墜落により建物が破損した

⑥ 水濡れ
  給俳水設備事故で生じた水ぬれ損害

⑦ 騒じょう・労働争議等
  騒じょう・集団行動に伴う暴力・破壊行為による損害

⑧ 水災
  台風や集中豪雨による浸水損害

⑨ 盗難
  盗難による建物き損・破壊や通貨・預貯金証書の盗難被害

⑩ 持ち出し家財
  自宅以外の建物内での持ち出し家財の損害


従来の住宅物件の保険としてオーソドックスな火災保険が「住宅火災保険」で、これは上記の➀から④までの損害を補償しています。これに加えて⑤から⑩、上記すべてを補償するのが「住宅総合保険」です。これまで、この二つの保険が火災保険の主力商品でした。しかし現在では各保険会社によって補償の組み合わせや補償範囲を広げたタイプの火災保険に移り変わっています。



オールリスク(充実タイプ)の火災保険

これまでの「住宅火災保険」「住宅総合保険」は補償内容も保険料も各社ともあまり差はありませんでした。しかし最近では、幅広く多様なリスクに対応、各保険会社独自のオールリスクの保険が主流で販売されています。

例えば、
・これまで限定されていた水災補償を実損額で補償する。
・これまでは20万円以上の損害から補償していた風災・雹災・雪災の補償を実損額で補償する。
・偶発的な破損・汚損損害補償の選択。
・各補償の免責金額(自己負担額)の選択。

などなど、補償の詳細は各社様々、補償内容や補償範囲をしっかり確認し自分にとって必要な補償を選択してください。また現在加入している旧い火災保険の補償と現在販売されている新しい補償を比べ見直しすることも大切です。




地震損害への備え

これまで述べてきたように、火災保険は火災以外の様々な自然災害のリスクをカバーしています。それゆえ地震災害も然り、火災保険で補償されると思っている方が多いようです。しかし、残念ですが地震・噴火・津波による損害は火災保険では補償されません。また、地震保険は単独では加入できず、火災保険にセットで加入する必要があり、その保険金額は火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で定め、かつ建物5000万円、家財1000万円が限度とされています。



地震保険の補償とは

地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする建物・家財への損害に対して補償します。
① 地震・噴火に起因する火災で建物・家財を焼失した
➁ 地震・噴火で建物・家財が倒壊、破損した
➂ 津波により建物・家財が埋没、流失した

上記の損害が発生した場合、地震保険で補償されます。



地震保険で支払われる保険金

地震保険で支払われる保険金は、実際の修理費や損害額ではなく、地震保険金額の一定割合を保険金として支払われます。
① 全損・・・・・地震保険金額の 100%(時価が限度)
➁ 大半損・・・・地震保険金額の  60%(時価の60%が限度)
➂ 小半損・・・・地震保険金額の  30%(時価の30%が限度)
④ 一部損・・・・地震保険金額の   5%(時価の5%が限度)

上記のように、地震保険の保険金だけではもとどおりに家を再建することはできませんが、地震保険は被災者の生活の安定に寄与することを目的とし、被災後の当面の生活を支え、生活再建の役目を果たしています。




最後に

ニュース等で、地震や災害に被災された方々のことば「まさか我が町が」「まさか我が家が」「まさか自分が」をよく耳にします。
でも自然災害や事故は何時、何処で、何が起こるのか、それは誰も予測できません。

「災害大国日本」2018年に止まらず頻発する地震、地球温暖化・気候変動で発生する幾多もの台風、集中豪雨は時と場所を選ばず思いもよらないところで発生しています。何の根拠もなくただ「自分は災害には遭遇しない」などと油断せず「明日は我が身」という認識を持ち「自分やかけがえのない人の命を守る」「大切な財産を守る」ことに日頃から備えていかなければなりません。


弊社では、生命保険にご加入頂いてるお客様がライフステージの変化に合わせて、保険の見直しに何度もお見えになります。ただ、一度加入した火災保険の見直しを考えるお客様はあまりいらっしゃいません。

今回は、駆け足で火災保険の基礎中の基礎をお伝えしましたが、先述したように火災保険の補償内容も変わってきてます。
現在加入している火災保険の補償内容や建物・家財の保険金額が本当に適正なのか、無駄や漏れはないか、これを機に考えて頂ければ幸いです。



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